QNX がマルチコア対応ビジュアル ツールを発表

QNXソフトウエア システムズは、マルチコア組込みシステム技術におけるリーダーシップを活かし、マルチコア プロセッサへの移行、デバッグ作業、ソフトウエア最適化を大幅に簡略化する新しい視覚化ツールを発表しました。

マルチコア システム向けの新しいQNX®視覚化ツールは、マルチコア動作に関するわかりやすいシステムワイドのビューを提供し、既存のツールから大きく進化を遂げています。このツールは、個々のプログラムやプロセッサ コアに注目するという従来的なアプローチとは異なり、マルチコア システムが全体としてどのように動いているかを分析します。このアプローチは、マルチコア設計に特有な、非常に複雑なシステムのインタラクションの理解を助け、開発者は並行処理とパフォーマンスの向上を最も多く実現できる部分に集中することができます。

「従来的なツールの場合、マルチコア システムのある部分で問題が発生しているとツールが判定しても、実際には、その問題は別の部分が原因になっているということがあります。QNXの視覚化ツールでは、こうした落とし穴に陥ってしまうことはありません。何百という数のスレッドが複数のコアを介して対話やリソース共有を行っている間、いかなる時点においても、開発者はシステムで何が起こっているか理解することができます。」と、QNXソフトウエア システムズの開発ツール製品マネージャであるビル グレアムは述べています。

システム動作の全体像を俯瞰するQNXマルチコア視覚化ツールでは、マルチコア システムに特有な問題を正確に突き止めることができます。例えば、並行処理が可能な場所を見つけ、コア間の不要なスレッド移行や過剰なIPC減らし、マルチコア環境で頻繁に発生するリソース競合を検出することができます。また、このツールは、複数レベルの分析を提供し、マルチコアでのデバッグと最適化のすべての段階において最も適切な情報を提供します。

「QNX視覚化ツールは、ハードウエア割り込み、カーネルコール、スケジューリング イベント、スレッド状態変化、様々な形のIPCなど、マルチコア動作を理解するために必要なさまざまな情報を取り込みます。また、余計な情報をフィルタリングし、作業中の仕事に関係のある情報だけに集中できるという点も、同様に重要です」とQNXのグレアムは述べています。

この視覚化ツールでは、任意のプロセスやスレッドを特定のコアに限定した上、パフォーマンスの向上をリアルタイムで計測することができるので、レガシー アプリケーションの移行にも役立ちます。この機能を使用すると、開発者は限定型マルチプロセシング(BMP)を最大限に活用することができます。BMPは、QNXが発案した新しい形のマルチプロセシング モデルであり、対称型マルチプロセシング(SMP)の透過的なスケーラビリティと、任意のプロセス(および関連スレッド)を選択して特定コアに限定する機能を組み合わせたものです。

セキュアなパーティションを有するシステムの最適化

QNXでは、アプリケーションの周りに安全な区画を構築し、これらのパーティションにCPU時間アクセスの保証をする画期的な技術、アダプティブ パーティショニングを導入しました。新しい視覚化ツールは、このアダプティブ パーティショニングにも対応しています。

今回の新しいツールでは、各パーティションのパフォーマンスと動作のモニタリングに加え、統合開発環境(IDE)からのダイナミックなパーティション修正も可能になります。例えば、各パーティションのCPUバジェットを調整したり、プロセスをパーティション間で移動したりできます。こうした操作によってどの程度パフォーマンスが向上するか、すぐに計測することができます。従来的なパーティション ソリューションに比べ、このインタラクティブなアプローチでは、システムの最適化がよりシンプルに、そして短時間で行うことができます。

QNX Momentics IDE 4

今回リリースの新しいマルチコア視覚化ツールは、QNX Momentics IDE の主要アップグレード版に含まれるものです。新規リリースであるバージョン4は、多くの新機能を有し、この中には、イノベーティブなメモリ分析ツールが含まれます。このメモリ分析ツールは、メモリ エラーを即時検出し、長期的なメモリ使用状況を最適化するためのユニークな「記録再生」機能を提供しています。このリリースではまた、組込み市場における初めての完全コンポーネント化IDEを提供します。開発者は、QNXツールのアップデート版をダウンロードすることができ、新規バージョンIDEの完成を待ったり、移行したりする必要がありません。このようなフレキシビリティを提供できるRTOSベンダは、QNXだけです。

QNX Momentics IDE 4は、Eclipse の最新メジャーリリース、Eclipse Callisto のEclipse プラットフォーム(v3.2)およびEclipse CDT C/C++開発ツール(v3.1)に基づく最初の組込みIDEです。QNX開発者は、スケーラビリティの大幅な向上(大規模プロジェクトのインデクシング作業は、桁違いに早くできるようになりました)と、最新のサードパーティ Eclipse ツールの恩恵を受けることができます。

製品情報

マルチコア視覚化ツールを含むQNX Momentics IDE 4は、現在QNX ソフトウエア システムズより出荷中です。

QNX ソフトウエア システムズについて

ハーマン インターナショナル (NYSE: HAR) の一員である QNX ソフトウエア システムズは、リアルタイムの組み込み OS 技術の業界リーダーです。QNX®Neutrino® RTOS のコンポーネント ベースのアーキテクチャと QNX Momentics® 開発スイートは、革新的かつ高性能の組み込みシステムを構築するために、業界で最も信頼性が高いスケーラブルなフレームワークを提供しています。シスコ、ダイムラークライスラー、ゼネラル エレクトリック、ロッキード マーチン、シーメンスなどの世界的なリーダーは、ネットワーク ルーター、医療器具、車載テレマティックス ユニット、警備防衛システム、産業ロボティックス、その他のミッションまたはライフ クリティカルなアプリケーションで QNX の技術に依存しています。1980 年設立の QNX ソフトウエア システムズはカナダのオタワ市に本社を置き、世界 100 ヶ国以上に製品を出荷しています。