産業用制御システム向け
リアルタイムOSおよび
ハイパーバイザー

産業用制御システムのセキュリティ侵害は、混乱を引き起こし、作業員、公衆、環境を危険にさらす可能性があります。システムや IIoT デバイスの接続が増えるにつれて、サイバーセキュリティの脆弱性が増加しています。セキュアなシステムを実現するためには、最低限、セキュアなOS、セキュアなOTAソフトウェアアップデート、セキュアなサプライチェーン、管理されたPKI認証、そしてFIPS認定の暗号化が必要です。

QNX Neutrino RTOSのマイクロカーネルアーキテクチャは、サイバー脅威に対する攻撃面を最小限に抑え、システム全体にわたるセキュリティポリシー、パスの信頼性、強化された機能、アクセス制御、分離と隔離の仕組み、そしてセキュリティツールによる多層的な保護を提供します。例えば、プロセスが実行できることを制限する70以上のオプションをサポートし、ルートレベルのアクセスはデフォルトで削除されます。

産業用制御システムにおいて、信頼性の高く頑丈なソフトウェアシステムを確立するためには、しっかりとした基盤が欠かせません。正確に実行され、クラッシュすることなく、最優先のプロセスが最初に実行され、障害から自律的に回復できなければなりません。マイクロカーネルオペレーティングシステムOSのアーキテクチャを採用したBlackBerry QNXオペレーティングシステムは、世界中の何億ものシステムに搭載されており、世界中のクライアントが当社の安全性とセキュリティの専門知識を信頼しています。

QNXマイクロカーネルオペレーティングシステムのアーキテクチャは、システムの機能安全を確保するために必要な、時間的および空間的な隔離を提供します。QNX Neutrino RTOSやQNX OS for Safety、そしてQNX HypervisorやQNX Hypervisor for Safetyは、複数のオペレーティングシステムをシングルシステムオンチップ（SoC）上で統合するだけでなく、セーフティクリティカルなシステムを保護するための基盤となっています。

製品ラインや事業部門間でアプリケーションとドライバのコードを再利用することで、ソフトウェアの再利用を拡大し、新製品の導入を合理化して収益と市場シェアを拡大できます。OS開発やメンテナンス、また基盤コンポーネントの安全認証といった、時間のかかる作業をBlackBerry QNXにお任せいただくことで、開発者は収益を生み出すためのイノベーションや機能に集中することができます。

Linux^® や、Robot OS（ROS）、OpenCV、Boost、Tensor Flow などのオープンソースプロジェクトから、POSIX に準拠した QNX 開発環境、QNX Neutrino Real-Time Operating System (RTOS)、QNX OS for Safety に簡単に移植でき、QNX Hypervisor や QNX Hypervisor for Safety で異なるクリティカリティのシステムを実行できます。

仮想化により、システム設計者はハードウェアリソースを無駄にすることなく、信頼性の高いシステムを効果的に構築することができます。組み込み系ハイパーバイザーを使用すると、クリティカリティが混在する機能を実行する複数のゲストオペレーティングシステムをシングルシステムオンチップ(SoC)上に統合できます。

QNX Hypervisor と QNX Hypervisor for Safety を使用すると、信頼性とセキュリティ要件が異なる多様な組込みシステムを統合できます。適切に設定されたハイパーバイザー仮想マシンで実行するだけで、変更されていないレガシーコードを最新のハードウェアに移行できます。Android™やLinuxを使ったイノベーションも容易に実現できます。QNX Hypervisor または QNX Hypervisor for Safety 仮想マシンにゲスト OS を安全かつセキュアに格納することで、必要なアプリケーションやサービスを選択した OS で実行できます。

IEC 61508などの規格に対する安全認証は、非常に大きなプロセスであり、Linux®などの出所不明のソフトウェア（SOUP）を使用する場合、ほとんど克服できない難題となってしまいます。安全認証 OS またはハイパーバイザーは、認証プロセスの複雑さ、コスト、リスク、期間を大幅に削減し、プロジェクトを成功に導きます。

BlackBerry QNXソリューションは、次世代の産業用制御システムに必要な安全性、セキュリティ、リアルタイム決定性に重点を置いて設計されています。QNX OS for SafetyとQNX Hypervisor for Safetyは、IEC 61508 SIL 3の準拠を必要とするアプリケーションで使用するために、TÜV Rheinlandによって事前認証を受けています。これにより、開発と認証にかかるコストやスケジュールを削減することができます。